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執筆者の写真谷口高史

若気のいたり💦 その一




「殺陣」は芝居と考えるようになってますますヤル気になり、殺陣の上手い先輩が他の後輩に指導している時には、聞こえる距離まで近づいてそのアドバイス(私にとっては宝物)を自分の引き出しの中に貯め込んでいった♪


養成所に通いながら東映京都撮影所に隣接している太秦映画村の扮装バイト

(映画村のオープンセットでお客さんの案内したり記念写真を撮ったりするバイト)

をするようになり、しばらくして「ロケーションスタジオ」という映画村のイベントに参加するようになった。

そのイベントはセットを改装して本当の撮影現場に近い形で模擬撮影を行い、その様子をガラス越しにお客さんに見てもらうというもの。

模擬撮影は台本にそって監督さんの演出によって進められた。

監督さんは実際に現場で監督や助監督の仕事をされている方、

殺陣師は美山晋八さん、中村敦夫さん主演「木枯し紋次郎」も担当されていた方。  

出演者のほとんどが養成所の先輩だったが、一人だけ現場で仕事をしてこられた年配の役者さんがいた。


ある日、その年配の役者さんと一騎討ち(一対一の殺陣)をする場面があり、その頃には私も殺陣やお芝居にだいぶん慣れてきていて

「井の中の蛙(カワズ)」状態になっていた。

殺陣師さんのつけた手もすぐに覚え、お客さんの前ということもあり、かっこいいところを見せたいとばかりにエンジン全開で挑んだ。

しかし年配の役者さんは殺陣が得意ではなかったため、手の覚えも遅く思うようにテストも進まなかった。

NGも何度か出た。

「もっとスピード感出してやりたいのに、相手のせいで出来ない!」

本当に恥ずかしく申し訳ない話だが、そんな思いが態度にも出ていたと思う。


なんとかOKが出て他の出演者が待機している場所に戻るやいなや、一人の先輩から言われた言葉に固まってしまった。


つづく



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