東映俳優養成所に入って映画村でバイトをしていた頃の話。
映画村のオープンセット奉行所前の広場でチャンバラをメインとした模擬撮影風景を見せるというイベントがあった。
そのイベントに斬られ役(からみ)で参加して間もない時、斬る役(芯)は東映剣会の大先輩Mさん。
今も舞台でご一緒することがあるが、今なお刺激を受け向上できる技術やためになる教え(宝物)をたくさんいただける方。
そのMさんから最初にいただいた宝物♪
その日主役のMさんは渡世人の役、からみの私はやくざ者。
無我夢中でかかっていき斬られて倒れ込む。
大勢のやくざ者をバッタバッタと斬り倒す渡世人。
監督の「OK!」の声にお客さんから拍手と歓声。
30分のイベントは無事終了。
大先輩のMさんがほとんど口も聞いたことのない私の元へ来られて、
先ほど抜き胴で斬られた私に、もう一度斬ってくるように言われた。
それも本当にMさんの頭に向かって思いっきり斬って来いと💦
もうやるしかないと、Mさんの頭めがけて思いっきり斬り込んだ。
目の前のMさんの姿が消え、気がつけば私の左斜め後ろで抜き胴後の残心の態勢のMさんがいた。
「斬られた・・・」
そう感じた。
多くを語らず身をもって大事なことを教えていただいた。
それから芝居や殺陣を考える時には、
「ホントとウソの境目」
そんなことを考えるようになった。
本当はこうなのかな、こうなんじゃないかなと想像する。
でもそれを表現する時に考えなければいけない諸条件や制約が山盛りある💦
例えて言えば、頭めがけて斬っていくのがホントだけど、相手がよけなければケガをさせてしまう。よけなくてもケガをさせないところを斬っていくというウソを演じる。
自分にとってのホントの感情、感覚を持ってウソを演じるのと、小難しいことを考えずにテクニックとして処理していくのとを考えた時、
私の場合は
ポワ~ンと想像することが好きになった・・・宝物ゲット👍
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